日本財団 図書館


当然、当方としては調整に時間も要することからも形式から検討していかなければならず、なかなか作業が捗らない状況で、時間だけが経過していったが、合意に至るまでの間、外務省等とも再三にわたり協議を行い、我が国のシステム等を韓国側に精力的に説明することによって、最終的に理解して貰ったわけである。

また、言語については、若干ではあるが、解釈が違う語句や表現方法の違いから、二度に亘る事前協議をしても調整に困難を極めた。

しかし本件の責任者である当庁国際課長と海洋警察庁外事課長(現在は、組織改編により国際課長)両名の署名実施に対する熱意から、お互いが相手方のことをよく理解しながら、開催直前まで調整を行った結果、合意に達した。

今のはほんの一例ではあるが、外国の関係機関と今回と同じ様なことをしようとする時、確実に言えることは、必ず相手には習慣等があり、自分が考えているとおりにはいかないということだと思う。

基本的には、お互いが国際慣習に従い、調整することが重要ではあるが、望む姿勢として、まずは相手国のことをきちんと知ることから作業を始めることが、最短に成功に至る道であると考える。

それには、人より若干相手国と接する機会が多い私のような担当官が日頃から言語のみならず、生活習慣等を理解した上で、他の人たちにも少しでも広めていく役目にあることを深く実感した次第である。

これらは、レセプションの設定や贈答品の選定等にも重要なことであり、見た目ばかりではなく、如何に相手が喜んでくれるかを主とした工夫をすることが不可欠であると考える。

それと係る部分も多いことであるが、長官自らが実践されており、我々が忘れかけており、最認識させられた事項がある。

それは、長官は簡単な韓国語を覚えて行かれ、各種挨拶時、更には懇親会時等においても、活用されていたことである。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION