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ハ 電波航法システムの現状と将来計画

(イ) ロランC

米国は、1994年4月、ロランCの運用を放棄し、以降、その存続については各国の判断に任された。

これに備えて、ノルウェー、デンマーク、アイルランド、オランダ、スイス及びドイツのヨーロッパ関係6カ国は、1992年、ロランCシステムを共同で運用する協定を締結した。

北西ヨーロッパ・ロランCシステム(the Northwest European Loran-C System:NELS)であり、次図の通り9局で4チェーンを運用している。

ドイツは、現在、Sylt局を運用しているが、バルト海の西部及び南部をカバーするため、もう1局設置することを検討中である。

また、イギリス、イタリア、スペイン、トルコも参加の意向を表明している。

 

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(ロ) DGPS

・中波を利用したDGPS2局(Helgoland局及びWustrow局)により沿岸海域をカバーしている(有効距離:200km)。

・オランダが開発したロランCを利用したEuro-FIXシステムを利用すると更に精度を増すため、1999年末までに4局のロランC局からDGPS補正データを自動送信することとしている(有効距離:約1,000km)。

条件の多いGNSSより使い勝手が良く、興味深いとのこと。

・長期的に使用される見通しがあり、国民にも受け入れられているとして、担当者は、将来的には維持すべきシステムであるとはっきりと述べていた。

(ハ) デッカ

1999年末で廃止されるとのこと。

(ニ) ガリレオ計画

純粋な衛星システムでなく、衛星と陸上基地を組み合わせたものであり、2000年末までには、フィージビリティー・スタディーを終える予定であるとのことであった。

 

 

 

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