日本財団 図書館


・廃棄物の投棄及び焼却関連…「船舶及び航空機による廃棄物の投棄による海洋汚染の防止に係る1972年2月15日及び12月29日の条約に関する法律」

これにより、投棄に関する許可に関しては連邦海運水路庁の所管であり、中央省庁という意味では連邦交通・建設・住宅省であり、それ以外は連邦環境省である。

ハ 海洋における油流出事故対策

(イ) 海洋における油流出事故対策は、連邦と州の共同任務であり、基本的には前者が公海、後者が領海内に責任を持つこととされている。

大規模な事故に対処するための協力の体制は、1975年に連邦と沿岸部4州(90年のドイツ統一後、旧東独地域のメクレンブルク・フォアボンメルン州を含め5州となった。)との間で締結された行政協定により定められている。

この協定は、当初、油流出事故のみを対象としたものであったが、95年に改定が行われ、ケミカル等油以外の汚染物質の流出事故もその対象に取り込まれた。

(ロ) 同協定に基づく常設の機関としては、次のものがある。

a 中央通報センター(ZMK)

連邦交通・建設・住宅省の下部組織であるクックスハーフェン水路船舶航行管理事務所内に設置されているもので、24時間態勢で海洋汚染に関する通報を受け、確認、関係機関への通報等必要な措置をとっている。

b 連邦特別部及び州特別部

準備対策、防除対策の実施に関する基本原則の策定、訓練に関する基本策定・実施・評価、資機材の調達計画の策定等を実施。

州特別部は沿岸各州が共同で設置。規模はそれぞれ5人程度。所在地は共にクックスハーフェン。

c この他、防除戦略、資材調達計画の検討等を行うための連邦・州調整委員会(連邦から3人、関連各州から1人の代表で構成され、定期的に会合を持つ。)、州が相互に調整を行うための州作業会議も設置されている。

(ハ) 大規模な事故が発生した場合は、同協定に基づき、対策指導グループ(ELG)が招集される。ELGは連邦及び関連沿岸各州の代表者からなる委員会組織で、連邦特別部及び州特別部の支援を受けつつ、実施すべき対策の内容の決定や指揮・調整、関係機関や近隣国への協力要請などを行う。

ELGの構成員は予め指定されているが、実際の会合をもつのは事故の発生時及び訓練時に限られる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION