7. 神戸地域の共同物流施設に対するPFI手法適応の可能性
1) PFIの概要
近年、わが国においてPFI(Private Finance Initiative)による社会資本整備が注目されている。これは、既に英国におけるPFIまたはPPP(Public private partership)による民間の資金・ノウハウを活用した社会資本整備が進んでいることを背景としている。
(1) 英国での取り組みの現状
英国におけるPFIの目的は、公共事業・公共サービスの提供において、民間企業の資金・経営ノウハウの活用を通じて、支払額に対する価値(VFM:Value for Money)の向上を最大限化し、財政支出の削減を図ることである。
従来の公共事業の委託とPFIとの違いは、民間にリスクを持って主体的に事業を行わせることで、民間企業の資金・経営ノウハウを最大限に活用しVFMを最大化することにある。
・PFIの定義
PFIは1992年11月に英国政府が導入した方針であり、これまで公共事業が直接行ってきた交通網整備や公共施設整備といった公共事業について、設計・建設・資金調達・運営を民間部門に行わせるもの。
BOT(Build Own Transfer)あるいはBOO(Build Own Operation)といった公共事業の民活方式を拡大し、事業全体の設計までに含めた形で効率化を図るものである。
・公共部門と民間の役割分担
国の公共部門は民間企業を効率的に活用し国民へのサービスレベルを最大化するため、PFIを実施するが、それとともに民間企業に対してもリスクを負うことを義務づけている。