3) マルチ・モード活用の強化
ベイエリアには3モード活用可能な拠点地域が複数存在しており、それぞれ地域の棲み分けが必要である。
神戸地域では国際拠点港、国内空港、高速道路、貨物鉄道駅等の利用が可能であり、また、K-ACTによる国際拠点空港とのアクセスも可能である。
(1) K-ACTの活用促進
神戸地域にとってK-ACTはダイレクトに国際航空拠点にアクセスする拠点であり、その利用ポテンシャルは高い。現在、他のACCTに比べ比較的利用が進んでいるものの入居率は未だ100%でなく一層の有効利用が期待されている。特に、港湾貨物の一部取扱が可能となっていることから航空、海上の複合貨物の取扱が可能な拠点として位置づく可能性がある。
また、今後、神戸空港との機能連携により、一層、利用が高まるものと考えられる。
・K-ACTでの海上貨物の取扱による航空、海上利用の荷主企業、物流企業の立地促進物流事業者や荷主企業が航空貨物の他、海上貨物の双方を扱う拠点として利用を図る。荷主企業によっては両モードをフレキシブルに使うところも増えてきており、そのような企業を対象として積極的に誘致に努める。
・神戸空港へK-ACT機能の一部取り入れ、関空との機能分担
関空が海外との窓口、神戸空港が国内各地との物流ネットワーク窓口
提案例:関空から輸出入する北米貨物等に対して、神戸空港を介し国内ヘフィーダー輸送を行う。
・K-ACTのシーアンドエアの接続拠点(NACCS等の統合拠点)
提案例:四国→(生鮮品:みかん等)→K-ACT(神戸空港)→関空→海外
中国・シンガポール→K-ACT→関空→北米等
(中国・シンガポールの北米便のフレートスペースの不足を補うシーアンドエア)
・K-ACTから関空への共同輸送
西日本各地とK-ACTを結び、K-ACTに納入し発着時間等の調整を行い関空へ共同輸送を行う。関空に比べ保管料等の安さがメリット。
(2) 国際フレーターの導入
航空貨物の輸送には、旅客機を利用したベリー便による輸送とフレーター(貨物専用機)による輸送の2形態がある。平成10年1月現在、わが国の定期国際便週間便数は2,291便で、その内フレーターが321便と約14%を占めている。
また、フレーター輸送は背高、長尺貨物や重量物の輸送を行うことができる上、貨物中心の路線やダイヤを編成することができることから、貨物輸送においてそのメリットは大である。
現在、フレーターは成田空港、関西国際空港の拠点空港の他、羽田、名古屋、新潟及び小松空港に就航している。
特に、小松空港は地方空港でありながら、ルクセンブルクとの間にカーゴルックスのフレーターが就航し、首都圏、近畿圏、名古屋圏を対象とした配送を実施している。