2) 地域物流システムの考え方
従来、わが国における地域物流システムは物流インフラを整備することが第一義的な目的とされてきた。このため、港湾、空港、道路等整備が進められてきた経緯がある。
しかしながら、現在、
・ある程度の水準の物流インフラ整備が進んだこと
・物流インフラ整備主体が財政改革等、今後のインフラ整備に限界があること
等から、従来通りのハード志向は難しくなってきている。
このような背景の中、今後、地域としては、地域物流の効率化のための物流システムをハード依存から脱却し、より効率的にインフラを利用するかを問うソフト依存を志向するべきである。
【地域物流システムの考え方】
〜物流インフラ等の整備による物流環境充実(ハード充実)に加え、荷主企業等が高質で多様な物流サービスを享受できる(ソフトの充実)地域の形成〜
・3PL事業者等の物流事業者の集積
・物流情報システムへの対応(e-ロジスティックスへ取り組みやすい地域)
・規制緩和のモデル地域
○関西国際空港、大阪国際空港、神戸空港、神戸港、大阪港、湾岸線等高速度路等が整備・計画されている当該地域では、物流情報システムを除き、物流インフラの整備が進みつつある。
○今後、これらベイエリアの物流インフラの効率的な活用(ソフト面での機能展開)を促すことが肝要である。
○したがって、次世代の物流システムに対応する物流インフラは整備し活用しつつ、十分な物流サービスを供給できる機能の集積化を再構築する(単に物を運ぶ物流機能から、情報・価値を付加する物流への対応)。
○そのためには、当該地域に集積する中小物流業の3PL事業等の高度化促進、西日本との連携強化によるスケールメリットの再構築、近距離に存在する航空、海上、内陸物流の融合化等を図る必要がある。