(4) 情報通信技術の活用状況
・BMS(インタビュー先の拠点の最大顧客)とは、彼らのSAPシステムに直接リンクできるようにしている。(実際のところは端末がおいてあり、EDIはできておらず、自社システムに再入力している)流れとしては、BMSの顧客からよせられたSAP上の発注情報をDSCがみて、出荷していくという、オーダーエントリー情報が共有されている。BMSの製品は、全米各地にある製品別の工場で製造されており、それがここに輸送されてきて、顧客向けに出荷されるシステムである。
・オンラインで標準化されている。付加価値をつけることが重要である。ASNであらかじめシッピングオーダーがわかる。主な配送先はTargetやKマートである。Weeklyベースのジャストインタイムが要求されている。
(5) 成功要因
・3PLの売りとしては、情報システム、倉庫、人材、プロダクトコントロールの4つが重要である。DSCは顧客のエリアによって3つに区分している。1]ローカル向け、2]地域向け(州位)、3]全国に広がる
・全米に広がる交通ネットワーク(倉庫)を持っていること。自社のASN(アドバンス・シッピング・ノオティス:Advance Shipping Notice)という情報システムを保有していること。人材育成に力を入れていること。
・アメリカでは、荷主、受け荷主、運送会社、皆が対等でないとだめである。
(6) 現状の問題や課題
・アメリカでは流通の2重構造をなくそうとしている。アメリカの流通の米界のトップ15は大手のチェーンストアである。ウォルマートなどが典型的な例である。これらの企業は製造業と直結して、卸売業を不要としている。しかしながら、中小企業は進展していない。
・終身雇用の問題は大きな違いである。こちらでは一度解雇した人々のうち、能力のある人を再雇用した。ここ25年で考え方が変わった。ビジネスの哲学が変わり、能力重視となり、一生で職が4回位変わるのは当たり前になった。
・アメリカでも日本と同じようにVANなどの専用線、ホストコンピュータによるシステムが形成されてきた。BMSもホスト型のコンピュータである。当社のASNはオープン型のシステムであるが、顧客の中には古い形態の情報システムを未だに利用しているケースが多い。
(7) 日本の市場について
・国際物流への進出を考えており、パートナーを探している。このあたりは本社でやっている。