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(5) 数値波浪モデルの改良と次世代モデルの開発

 

(ア) 世界各国における波浪モデルの運用と開発状況

MRI-IIを含めた第2世代の波浪モデルはかなりの精度で波浪状況を推算するものの、風波の発達程度、風が急変した場合の挙動や、うねりの伝播状況等で若干精度が伴わない時がある。こうした中で欧米を中心に新しい波浪モデルの開発気運が高まり、波浪発達の物理過程を詳細に表現した第3世代の波浪モデルの研究開発が1980年代に行われた。これらの成果はWAMモデルに代表されるが、計算機の能力の大幅な向上とともに現在運用される波浪モデルの主流になりつつある。世界各国の主な波浪モデルの運用状況と開発状況をtable 49に示した。

 

table 49 世界各国の波浪モデルの運用・開発状況

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1988年のWAMDIグループによる世界初の第3世代モデル(WAMモデル)の開発以来、開発に関与した国をはじめとした各国においてWAMモデルの業務運用が進んでおり、WAMモデルを基に独自のモデルを開発している国も多い。1993年以降、モデルの開発自体から衛星データ等の波浪モデルヘの同化技術の開発と気象モデル等とのカップリングに研究の主体が移りつつある。

 

 

 

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