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波浪計からは、有義波などに加えて周波数スペクトルなどの情報を収集が可能であり、数値波浪予報モデルの改良等に活用されている。

この他、全球気象観測網(GTS)から得られる船舶やアメリカ海洋大気庁(NOAA)の海洋気象ブイロボットのデータも収集され利用されている。特に、NOAAブイは1990年9月より、国際気象通報式FM65 WAVEOB波浪スペクトル通報式により方向スペクトルのデータが通報されており、有用な情報となっている。

Fig.31は、気象庁でリアルタイムに収集した波浪観測資料の分布である(海洋気象部海上気象課、1990)。

 

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Fig.31 気象庁でリアルタイムに収集した波浪観測資料の日平均分布(1985〜1988年)

 

数字は、東西10゜×南北10゜の矩形の範囲内の日平均の全データ数である。約75%が一般の船舶から通報されてきており、北米航路などの航路上に集中している。一方、赤道海域は非常に少ない。

 

(3) 現在の波浪解析・予想システムの概要

(ア) 新しい数値波浪モデルの特徴

COSMETSの更新に合わせて、この3つの数値波浪モデルのバージョンアップが行われている。主な変更点は次の通りである。

外洋波浪モデルは計算領域を北西太平洋域から全球へと大幅に拡大されている(実際に計算するのは北緯70度から南緯70度までであるが、両極の周辺は海水と大陸のため、この計算範囲でほほ全球の波浪をカバーできる)。

 

 

 

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