5 参考資料
5.1 船舶から発生するCO2以外の温室効果ガスについて
温室効果ガスとしてはCO2が有名であるが、その他にCH4、N2O、HFC、PFC類、SF6、さらにはSPM、H2OおよびO3にも温室効果があることが知られている。Table 43にこれら地球温暖化物質の比較を示した。単位濃度当りの温室効果の強度で比較すると、CH4、はCO2の約21倍、N2Oは同じく310倍、フロンハロン類では、数千倍になり、排出量が微量であっても温暖化を招くことになる。ただし、大気中濃度を考慮した放射強制力(温室効果の度合い、表中最下欄参照)を見ると、現在ではCO2の寄与が一番大きく、今後の温暖化の約60%がCO2の寄与と考えられている。
1997年9月に行われたCOP3京都会議においては、CO2にCH4、N2O、HFC、PFC、SF6の5物質を加えて、合計6物質について削減目標を設定した。6物質の選定においては、地球温暖化に寄与する割合(大気中の絶対量×温暖化係数)、他の有害性、増加速度、寿命、実施対策の容易さなどから選定されている。
船舶の場合、CH4は機関の排ガス中にも含まれるが、原油タンカーの移動中に積み荷より発生する量が無視できないと考えられる。また代替フロンについては、リーファー(冷凍コンテナ)などでその使用量も多く、陸上の冷凍施設との比較では管理も緩いことが想定されるため、そのリーク量も多いことが考えられる。