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また、運輸省がアメリカのFNOCと協力して、観測用ブイロボットを増設するアルゴ計画が進行しており、同計画から得られる波浪等の情報により予想可能期間が向上することが期待される。

 

(5) CO2削減オプションとしてのWRS

WRSが実施されている代表的な航路である北太平洋航路の横断にかかる航行日数は、速い船で片道10日程の航程である。もし、予報可能期間が10日以上まで延長されれば、WRを受けた場合の航行日数の削減効果は大きく向上する。しかし、モデルによる予報可能期間の向上は足踏み状態にあるという指摘がある。一方で、(イ)(4)で示したように、近い将来初期条件データの時間的、空間的密度が大きく改善され、リアルタイムの予測に必要な基盤が整備される可能性があり、この場合現行モデルによっても予報可能期間の向上を期待でき、しいてはWRSによる航行日数の削減効果の向上が期待できる。

WRSの利用状況からは、次のような課題が考えれる。

 

●一部の船舶では最短時航行に主眼を置いてWRSが行われているが、その方針を燃料消費量の削減に変更する。

●公的機関から提供される波浪予報可能期間の延長により、WRSの燃料消費量の削減効果向上をはかる。(現状、北太平洋航路では最大10%程度の航行日数の削減が期待できる)。

 

 

 

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