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3.4 対策の導入方法の検討

 

3.4.1 CO2排出量低減オプションに関する検討

 

(1) 運航量の将来予測

CO2排出量の将来予測計算例として、タンカーによる原油運送の燃料消費量予測を行った。前章で述べたように将来的に大きな低減に望めない輸送効率と運送実績の伸びが相殺して、古い船舶が自然代替された場合でも、排出量が将来増加に転じる可能性もある。Fig.21に日本着の原油輸送量および世界における輸送総量の年毎の推移を示した。日本着の原油輸送については、中近東から南アジア方面への原油積み出し地の多様化などにより、平均輸送距離の減少があるため、トンベースでは1%/年の増加傾向にあるもののトンマイルの輸送実績では、ごく微増傾向となっている。

 

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Fig.20 世界の原油運送量と日本着運送量の推移

 

一方、世界の輸送量は大きな伸びを示している。Fig.21に示すように近年5年のトレンドを直線近似すると、1997年比で75/7677=0.97%/年の増加が見込まれる。将来的には、UNFCC加盟国においては、燃料資源の節約が求められるため、原油の輸入量は少なくなることが予測される(一方、LNGの輸送量は今後増加の可能性がある)。従って、OECD諸国において経済成長率2%程度の伸び率の中で、原油の輸送実績の伸びが1.0%/年弱という予想は、ほぼ妥当性があると考えられる。

同様に他の貨物についても、Fig.22に示すように重量貨物である石炭、鉄鉱石はいずれも1997年比2〜3%.年の伸びを、コンテナについてはFig.23に示すように6%/年程度と高い伸びが予想される。

 

 

 

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