日本財団 図書館


原油タンカーの船型区分をi、建造年代をjとすると、原油タンカーによる年間原油輸送総量TR(ton-mile/year)は次の式で表現できる。

014-1.gif

ただし、

trij:カテゴリーi,jの原油輸送量(ton-mile/year)

Kij:カテゴリーi,Jの平均的な原油運航可能量(ton/隻)

Sij:同 隻数

Xij:同 年間航海日数(280day/year)

αij:同 航海日数に占める積荷航海の割合(約0.5)

vij:同 積荷航海時の平均運航速度(mile/day)

 

TR、K、Sは前出統計により既知であるが、Xとvには各カテゴリー毎の平均的な運航実態の把握が必要である。これらは運航パターンや稼働率に関わるパラメータであり、本来は各船型あるいは船齢ごとに詳細なデータが得られることが望ましい。しかしながら、現状ではこれらに関する世界的なデータが得られていないことから、Xとαは船型や船齢によらず一定とし、vについては新造時の設計運航速度にシーマージンや経年劣化等を勘案した上で平均的な運航モデルを構築の上仮定した。

table 5に世界に現存するタンカーの船齢・船型分布を示した。320×103DWT以上のタンカー(≒16万総トン数以上のULCC)は、1985年以降建造されていない。一方で、一回り小型の30万重量トン以下のVLCCタンカーが多く建造されている。なお、Jacobs & Patners刊行のWorld oil Tanker Trendsによれば、1998年末における10,000重量トン以上の商用タンカー(プロダクト、ガスタンカーも合む)隻数は3,367隻となっており、世界で稼動中の石油タンカーは3,000隻弱と考えられる。

各タンカーが輸送可能な原油量はtable 6に示すように推定した。ここでは、各カテゴリーにおける平均DWTより、バラスト水、輸送のための燃料の割合など荷物以外の積載量や荷役のために必要な日数などを考慮し、10万DWT以上の大型タンカーでは9割、それ以下の中小型タンカーでは8割を油槽の大きさ(輸送可能量)と仮定した。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION