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(3) 船種船型ごとの運航量の推定方法

 

table 4に世界の運航量を、荷種毎に輸送トンおよび輸送トンマイルで比較したものを示した。同時にコンテナについても輸送TEUを示した。1TEUを23トンと仮定(平成10年における横浜港の実入りコンテナ平均値)すれば、輸送トン数は772×106トンと計算され、全バルク合計の3割程度の輸送重量トンと推定される。また、バルクの中では、原油がトンベースとトンマイルベースのいずれにおいても過半数を占めており、燃料消費量としても大きな割合を占める可能性が考えられた。原油輸送における地域間輸送の内訳を見ると、日本着の荷動きが世界全体の20%弱を占めており、日本向けの荷動きによる排出割合も相応のものがあると推定されることから、原油タンカーについて詳細な検討を行うこととした。

 

table 4 世界の運航量(TR)の把握(1997年)

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Feamleys;世界バルク貨物輸送1998、運輸省日本海運の現況(平成11年版)より

 

(ア) 原油タンカー運航量および平均運航日数の推定

全世界における総運航量の大きい原油タンカーについて、そのトンマイルベースの運航量を、船型船齢ごとに割り振る方法について考える。原油タンカーは、往航は原油が満載状態で運航を行い、復航は積み荷がないバラスト状態で運航を行うことが一般であり、積み荷率や運航速度などの運航形態が比較的単純なことから、モデル化が容易であると考えられた。

原油タンカーによる地域ごとの年間の輸送総量TR(ton-mile/year)については、table 4に示すようにFearnley's海運研究所がまとめた資料がある。しかし、船型クラス毎の内訳や実運航時間については同資料から把握できない。ここでは、以下に示す式により、全てのタンカーがある運航速度下において平均的に運航に従事しているモデルを考えた。

 

 

 

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