引き続き、Dr.Ann Gargett、Dr.Terry Curran、Dr.C.S.Wangから、各人の研究の紹介があった。
・北太平洋をフィールドとして、ブイを用いた計測を行っている。毎時データ取得しており、データは衛星を利用して収集している。データは一般に公開しており、Webから入手可能である。
・センサーは、CTDの外にプランクトンをモニターすることができる。日中、深部にいたプランクトンが、夜間に表層に上がってくる様子を観測した。技術的には、生物付着による機能低下が問題である。
また、Dr.C-S Wangが北部太平洋におけるCO2,SiO2,Nの化学データ計測について、実験室や展示の紹介をまじえて説明をうけた。
4.3.6 University of Washington
ワシントン大学のアクティビティに関して、はじめにProf.John R.DelaneyからNEPUTUNEプロジェクトの説明があった。
・NEPTUNEのコンセプトは、「A fiber optics telescope to inner space」である。
・プロジェクト経費は150百万ドル(150億円)である。
海洋関係の研究予算体系について説明をうけた。
・NOAA:Operationを行うところであり、Research Instituteとは言えない。衛星運用と気象が本務である。JAMSTECと似ている。モニターなどの開発を行っている。
・NSF:基礎研究のファンドである。
・ARPA:昔のDARPAであり、応用研究とミリタリーの研究を行っている。MITのロボットはこのファンドで研究を行っている。
・また、National Ocean Partnership Project(NOPP)が、3年前に決まった。非常にハイレベルの会合である。年間20百万ドルの資金をにぎっている。
4.3.7 NOAA,Pacific Marine Environmental Laboratory
PMELのディレクターであるE.N.Benard氏から、将来の方向性などに関して、以下のコメントがあった。
・「気候変動」に高い関心をもっている。将来的にも重要と認識している。
・電磁気計測を黒潮の観測に応用してみたい(提案1)。
・津波の観測については、ケーブルや衛星を利用したシステムを設けてはどうか(提案2)。現在のシステムでは、1分以内の「音響検知→衛星→地上」の通信システムが完成している。
・音響技術は、ケーブルがなくてもどこでも計測することができるので、重要性は増すであろう。