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さらに、養殖魚病に対するワクチンも開発されてきている。その代表例として、IHN(インフェクショナル・ヘマトロビック・ネクロシス)というコイやサケの病気のバイオワクチンが挙げられる。養殖魚の突然の全滅を防ぐための予防ワクチンの研究も行われている。

 

(3) 今後の展望

前述したように、マリンバイオテクノロジー分野は世界的にみても我が国が最も進んだグループに属しており、その応用分野である海洋性機能性食品や医薬品の製造についても同様のことが言える。今後の有用化学物質の探索結果次第では、抗ガン剤や抗エイズ剤などになり得る医薬品の開発もさらに進展していくと考えられる。一方で、これまでは研究段階にすぎなかった海洋性機能性食品あるいは医薬品が実用化に至り、市場規模が拡大されていくことが予想される。

 

【参考文献】

・松永是「おもしろいマリンバイオテクノロジーのはなし」日刊工業新聞社(1996).

・宮地重遠、加藤美砂子「マリンバイオの未来」裳華房(1995).

・岡本秀穂、応用物理、64、85、817(1995).

・中原皓、貝殻に学ぶ無機材料、日本機械学会誌、97、902、38(1994)

・松永是・本宮達也「おもしろいバイオ新素材のはなし」日刊工業新聞社(1996).

・小西哉、セラミックス、27、5、438(1992).

・松永是「マリンゲノムテクノの大冒険 海からの地球大変革」徳間書店(1997).

・比嘉辰雄、化学、54、8、25(1999).

 

 

 

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