●定義と分類
a.干潟・浅場
干潟は、「潮汐により干出と冠水を繰り返す砂泥質の平底」と一般に定義される((財)港湾空間高度化センター、1998a)。
ここでは、環境庁の資料(環境庁、1997a)をもとに、以下のとおりとした。
1]高潮線と低潮線に挟まれた干出域の最大幅が100m以上であること。
2]大潮時の連続した干出域の面積が1ha以上であること。
3]移動しやすい底質(礫、砂、砂泥、泥)であること。
干潟は、地形的特性に基づいて「前浜干潟」、「河口干潟」、「潟湖干潟」の3タイプに分類される。
浅場は、「潮下帯の沖合部で陸棚の外縁までの海洋の部分」と一般に定義される(沼田、1974)が、ここでは、海湾において成層構造が発達する水深を考慮して「水深5m以浅、もしくは水深10m以浅の海域」を浅場とした。
b.藻場
藻場は、「沿岸浅海域で大型の海藻類もしくは海草類が繁茂し群落が発達した場所」と一般に定義される((財)港湾空間高度化センター、1998b)。
ここでは、環境庁の資料(環境庁、1997b)をもとに、以下のとおりとした。
1]面積が1ha以上であること。
2]水深20m以浅に分布すること。
藻場は、その藻場を構成している主要植物種あるいは生育基盤である底質の種類によって、以下のように分類される。
1]岩礁性藻場
・ガラモ場 : ホンダワラ類(アカモク、ヤツマタモク等)
・海中林(コンブ場、アラメ場、カジメ場、ワカメ場) : マコンブ、アラメ、カジメ、ワカメ等
・テングサ場 : マクサ
・アオサ場 : アナアオサ
2]砂泥性藻場
・アマモ場 : アマモ、コアマモ