なお、環境改善技術の適用が、物質循環システムに及ぼす効果やその影響の時空間規模等を、現状解析で用いたモデルで予測し、それを技術の選択にフィードバックさせることが望ましい。
(4)海洋環境改善後の環境モニタリングによる効果の検証
事業実施後の環境が「環境改善の目標」とした状態を達成できているかどうかをモニタリングによって検証する。その際特に、改善事業の効果が物質循環システムのどの部分にどの程度表れたのかを把握することが重要である。
ここで主に取り扱う環境改善は、生物生息場の修復、もしくは生物の生息を脅かす汚濁要因の抑制を目的とするものであり、モニタリングの項目としては、生物の生息状況、生息環境を把握できるものを抽出する(表-1.2.5)。ただし、生物機能が発揮されるには、一定の時間を要することから、できるだけ長期的に生物や生態系の復元過程を追跡することが必要である。