1.2 検討の手順
海域が本来持っている自然の物質循環システムを修復し、生物の「浄化−生産機能」を最大限に引き出し活用することを目標として沿岸海域の環境改善を進めるための検討手順の概略を図-1.2.1に示した。まず、対象とする海域の環境の現状を把握し、どのような仕組みで環境が悪化し、生物の機能が低下しているかを見極めることが必要である。それに基づいて環境改善の目標を具体化し、その目標を効果的に達成できるような改善技術を選択する。改善事業の実施後は、環境モニタリングを行い、事前の予測結果や設定した目標と比較することによって改善の効果を検証し、必要に応じてさらなる環境改善策の検討を行う必要がある。それぞれの段階における検討内容を以下に記す。