(1)シャルピー衝撃試験
本溶接法は、一般のマグ溶接法に比べ著しく高能率な溶接であるために単位溶接長あたりの入熱量が増加する。このような溶接方法の特徴として継手の靭性値が落ちやすい傾向があり、本プロセス実用化のためには継手の靭性確保が重要となる。第1段階の開発にて選定した溶接材料及び条件は、規格値を満たしたもののかなり低い値であった。よって本年度は単にA級鋼の溶接施工法試験の規格値(34J(+20℃))だけでなく、D級鋼(34J(0℃))の条件を満たすよう使用溶材の検討を実施した。
溶接施工法試験に適用されるシャルピー試験のノッチ位置を下図に示す。規格では溶接ビードの表側から3カ所採取となっているが、本溶接方法では先行電極と後行電極で異なる種類の溶接ワイヤを用いて施工しているので、ビード裏側からも試験体を採取した(ただし、1電極溶接となる傾斜部については表側のみとした)。