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4.4 自走移動車適応制御部の改良設計・製作

 

水平からR部への姿勢変化に対する倣い機構・走行・操舵制御方法の改良を実施した。

倣い機能については4.2.2項、4.3.2項にて述べたのでここでは走行速度制御方法と操舵制御方法について述べる。

 

(1)移動車の速度制御方式

自走移動車の走行する地盤が船底外板に対して平行でない場合やR部の溶接においては、自走移動車の走行速度と溶接速度(溶接トーチ部の速度)は致しない。溶接施工においては溶接速度が所定の速度になるように、自走移動車の走行速度を制御する必要がある。適正溶接速度は部材傾斜および開先幅の値によって変化するので、両者の検出値をもとに溶接速度テーブルより適正溶接速度を選定する。そして、その速度で溶接機が移動するように自走移動車の走行速度を制御する。自走移動車の走行速度は、溶接機に設置され、船底外板板面に車輪にて接触された溶接速度検出センサの値が先に選定された適正溶接速度と等しくなるように制御される。

以上の制御方式を図4.4.1の制御ブロック図に示す。

 

084-1.gif

図4.4.1 自走移動車の速度制御方式

 

溶接速度の検出方法について、第1段階の開発では船底外板に接触したオムニホイールの軸に速度エンコーダを取り付けて検出していたが、溶接部材の曲がりなどによりオムニホイールが空回りする場合や、オムニホイール自身にガタがあり、正確な速度を検出できないので、新たに溶接アーク点の近くに独立した速度検出用の車輪を設置した。これは図4.4.2に示すように平行部、傾斜部に関わらず常に外板に接触する構造であり、車輪が空回りすることはなく、正確な溶接速度の検出が可能となった。

 

 

 

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