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4.2.3 裏ビード制御方法

裏ビード形状の形成には、先行極のアーク発生位置(部材裏面からアーク発生点までの高さ)が重要な因子となる。このアーク発生位置は、トーチ高さのみならず、溶接中に電極間に働く電磁力やワイヤ突出長の変動によっても変動し、裏ビードの融合不良や溶け落ちを発生させる原因となる。そこで従来よりSAW片面溶接の裏ビード制御法として、利用されている裏面アーク光量による裏ビード制御法の採用を検討した。これは図4.2.8に示すように摺動水冷銅板に受光素子(CdSセル)を埋め込み、アーク光量を計測して裏ビードの出具合を検出しようとするものである。

 

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図4.2.8 トーチ高さの影響

 

CdSセルとは、カメラのストロボセンサーとして広く用いられているもので、セラミック基板の上にCdS感光面があり、リード線によって電極の引き出しを行い、メタルコートされたものであり、S(イオウ)とSe(セレン)との混合比を適当にとることにより、照度に対する光抵抗値が変化するものである。

 

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図4.2.9 CdSセルの形状

 

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図4.2.10 CdSセルの構造

 

 

 

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