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2.3 溶接線自動追従条件検出方式の選定

 

溶接線に対して移動車を追従走行させるための操舵条件検出方法を検討・選定した。

 

a. 溶接線方向の検出方法

今回開発する移動車は、従来の溶接装置とは異なり、レールを用いない走行方式であるため、溶接線に沿って自動操舵走行していく必要がある。

自動操舵走行するには、まず溶接線方向と移動車の走行方向とのズレ角を検出することが必須条件である。ここでは、溶接機を取り付けたアームの旋回角から溶接線方向と移動車の走行方向とのズレ角を検出する方法を検討した。

図2.3.1に溶接線方向と移動車の走行方向とのズレ角の検出方法を示す。

アームの先端に取り付けられた開先倣いセンサには溶接線上の前後に2つのレーザセンサが取り付けられており、常に2つレーザセンサの揺動中心位置が溶接線上に来るようにアームを旋回または横移動させて開先倣いを行う追従制御機構が働いている。つまり、アームは追従制御機構によって常に溶接線と同方向を向いており、この事はアームの旋回角を検出すれば、溶接線方向と移動車の走行方向とのズレ角を検出する事となる。

アームの旋回角は、アーム旋回支点(エアーシリンダとの連結ピン)と旋回力点(アーム横移動軸との連結ピン)間の長さと、アーム旋回軸の旋回中心線からの距離(アーム旋回軸の横移動位置)から式2.3.1の三角関数で求めることが出来る。

 

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b. 操舵機構

図2.3.2に移動車の操舵・駆動方法を示す。

操舵兼駆動輪は車体の前左輪と後右輪に2つある。駆動モータは車輪に直結され、操舵モータは平歯車を介して車輪を平面上に回転させて操舵する。この前後2つの車輪を操舵することにより、乗用車等で行われている前輪操舵走行はもちろんのこと、横行走行、旋回も可能となり、狭い渠底での移動をスムースに行える。

 

c. 操舵制御方法

図2.3.3に操舵制御方法の概念図を示す。

アーム旋回軸のサーボモータに取り付けられたエンコーダから検出したアームの横移動位置情報とアーム旋回軸の支点と作用点長さ(既定値)からアームの旋回角度を検出する。

 

 

 

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