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b. 溶接機の保持方法

溶接トーチ位置が開先中心位置からずれると、融合不良(溶接開先に未溶融部が残る)等の溶接欠陥の発生を招く場合があり、溶接トーチを常に開先中心位置に自動的に保持する事が重要である。

今回の場合、溶接トーチを溶接線に対して以下の2位置、1方向について合わせる必要がある。このうち「左右位置」と「溶接線方向」については「1.5溶接部状況検出方法の選択」でその方法を検討した。

ここでは「上下位置」合わせの方法について検討した。

1]上下位置

2]左右位置

3]溶接線方向

移動車が走行する渠底は凹凸がある。そして、船底外板も厳密には水平ではなく縦傾斜、横傾斜があり、溶接トーチを取り付けた溶接機を単に水平に維持するだけでは溶接線との上下位置合わせをすることは困難である。

この様なことから、溶接機を船底外板に一定の力で押しつけることによって、溶接機に取り付けられた溶接トーチと溶接線との上下位置を一定に保つ機構を検討した。

図2.2.2に溶接機の保持機構図を示す。

本機構は、まず、アーム先端に取り付けた溶接機をエアーシリンダで上方に持ち上げ船底外板に押しつける。溶接機とアームは直行する2つのピンで結合されており、前後、左右に回転できるようになっている。船底外板に押しつけられた溶接機は、溶接機に取り付けられた4つの車輪が船底外板に接触するまで前後左右に回転する。その結果、溶接トーチは船底外板と常に一定の位置に維持される。

 

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図2.2.2 溶接機の保持機構図

 

 

 

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