b. 検出データの処理方法
センサで検出した3つの情報(2台のレーザセンサの測長距離、揺動軸の座標位置)を基に、以下の開先状況を検出するためのデータの演算処理方法について検討した。
・開先幅検出
・開先とのズレ量の検出
・開先とのズレ角の検出
1]開先幅の検出方法
レーザセンサの測長距離は、レーザセンサを右揺動および左揺動のそれぞれの動作中に揺動軸の0.1mmピッチ毎に測定される。
図1.5.3は開先幅測定の概念図を示したもので、レーザセンサの揺動によって得られるレーザセンサの測長距離と揺動軸座標位置との関係図上に演算処理項目を示したものである。
本方法は、開先部が開口しているため船底外板部よりレーザセンサの測長距離が長くなるので、測長距離が急変する開先左端座標位置と右端座標位置を検出し、この座標差を求めることによって測定する方法である。本図はレーザセンサを右に揺動した場合のものであるが、反対方向の左側に揺動した場合もこれと同様の処理を行って開先幅は検出される。
本方法では、開先幅は以下の5つの演算処理手順から測定される。
手順1:レーザセンサから船底外板までの距離測定
揺動開始直後(揺動座標位置:-50〜−40mm)の測長距離を平均化し、レーザセンサと船底外板との距離測定する。
手順2:スロッシュレベル(閾値)の設定
開先端部を検出するために、測定された船底外板の距離に閾距離を加算したスロッシュレベル(閾値)を設定する。
手順3:開先左端座標位置の検出
右に揺動中に、最初にスロッシュレベルを越える距離が検出された場合、これを開先左端部として揺動座標位置をメモリに記録する。
手順4:開先右端座標位置の検出
開先左端部検出後、最初にスロッシュレベルを下回る距離が検出されると、これを開先右端部として座標位置をメモリに記録する。
手順5:開先幅の測定
メモリに記録された開先右端座標位置から左端座標位置を差し引いてて開先幅を求める。