1.5 溶接部状況検出方法の選択
前項でレーザ変位センサの揺動方式による開先検出方法を選定した。本項ではこの方式で開先の形状測定方法、溶接機と溶接線とのズレ量およびズレ角度の測定方法について検討した。そして、ずれに対する溶接機の追従制御機構についても検討した。
a.センサによる検出方法
図1.5.1に開先検出機構図を示す。本機構は2台のレーザ変位センサと1台の揺動軸からなる。2台のレーザ変位センサは溶接線の長手方向に所定の間隔で配置され、1台の揺動軸上のセンサ連結棒に取り付けられ、レーザ変位センサからレーザスポットまでの距離を測定する。揺動軸にはエンコーダ付きのACサーボモータを使用し、2台のレーザ変位センサを溶接線と直角方向に揺動するとともに揺動座標位置を検出する。
図1.5.2に開先検出制御ブロック図を示す。シーケンサは、2台のレーザ変位センサで検出された測長距離のアナログ信号をA/D変換器でデジタル信号に変換し、そして、サーボアンプから揺動軸の座標位置を取得する。これら3つのデータ(2台のレーザセンサの測長距離、揺動軸の座標位置)を演算処理し、開先幅と開先とのズレ量および開先とのズレ角を検出する。