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1.2 溶接部の形状

 

1.1で選択した溶接方法に対して安定した溶接、溶接断面積最小化を検討し、開先形状、ギャップ幅を選定した。選定した開先に対して仮付け方法、治具仮付け等について検討した。

 

a. 開先形状の選定

従来の船底外板での溶接は、船内側(開先上面)より半自動CO2溶接法による多層溶接で行っており、開先形状は図1.2.1のようにギャップ6mm、V開先の40°である。

 

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図1.2.1 船底外板溶接における開先形状の現状

 

本溶接施工法では開先内に溶接トーチを挿入する必要があり、挿入する電極を越えるギャップ幅が必要となる。そこで、開先断面積を最小化させるために、

(1)溶接トーチの細径化による開先ギャップの最小化

(2)開先角度の低減化

について検討を行った。

 

(1)開先ギャップの最小化

溶接トーチの水冷機構、電極ノズル、ワイヤ送給口、排水口などを考慮して細径化について検討し、トーチの最小幅を9mmとした。

また開先ギャップを選定する上で以下の問題について考慮した。

・揺動(ウイービング)機構

・搭載ブロックの位置決め精度による開先幅の変動対策

・溶接中の熱変形による開先幅の変動

以上を想定して、標準開先幅を13mmと設定した。また搭載ブロックの配置精度の面から過大ギャップ15mm、17mmの場合についても検討した。

 

(2)開先角度の最小化

選定した標準開先幅13mmは、他の片面突合せ溶接施工法に比較すると非常に大きい(表1.2.1参照)。

 

 

 

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