日本財団 図書館


1.3 実験結果

 

上記の実験計画の下に行われた実験は、3研究機関の氷海水槽及び開水水槽を駆使して行った極めて広範な実験であり、その結果は非常に膨大なものとなった。このため、ここでは主要な結果のみを示す。

●氷中試験結果

氷中での抵抗試験から得られた各船型の砕氷抵抗の計測結果を図A-3に示す。砕氷抵抗は船首形状に依存するところが大である事から、船尾aに対して船首3種類を変えた組み合わせについての試験結果である。なお、船尾の影響を確認するために、A-b船型についても一部実験を行っているが、A-a船型の結果と有意な差は無い。試験結果より、船首Bの抵抗が明らかに低く、優位な船首形状であることが判る。船首Cがこれに続き、従来型の楔形船首形状である船首Aの抵抗が最も高い。

 

191-1.gif

図A-3 平坦氷中抵抗試験結果

 

氷中での自航試験結果から、トルク係数を求めた結果の例を図A-4に示す。図中の実線は、平水中で実施した過負荷試験の結果である。氷中自航試験においては、プロペラと氷片の干渉のため、トルク係数が、一般に、平水中過負荷試験結果よりも高くなるが、この実験結果でもこのような傾向が見られる。しかしながら、二軸船の場合、氷中自航試験の結果が、平水中過負荷試験結果の2倍にもなる場合が報告されているが、本実験の結果ではこのような大きな差が現れない。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION