(2) 本船は、砕氷船の支援無しに、セベルナヤゼムリヤ群島の北、北緯81度23分(本航海の最北点)を通過した。これは、1932年に蒸気船Sibiryakovが通過して以来の、63年ぶりの快挙であった。
(3) 調査団のロシア人チームにより、船橋からの目視による氷況の24時間観測を行った。観測は、ロシアとカナダの調査員を中心に作成したデータシートを用い、CASPPR(カナダ北極域船舶汚染防止規則)の氷海域船舶運航管制システムに最近取り入れられたIce Numeral(巻末資料5-2参照)を計算した。また、国際規格による氷況マップを作成した。一例として、東シベリア海の氷況マップを図5.6に示す。本船は、航行に支障無い非常にまばらな氷塊が点在する場合も含めて、合計6.5日間、氷中を航行した。平坦氷と見做せるような均質な大氷盤に遭遇することは無かった。