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図4.4-5 船速計算のフロー

 

シミュレーションプログラム

4種類の航路、3種類の船種を組み合わせて運航コストを試算する。NSRの氷況はセグメント別、年別、月別に定義された過去の観測データを用いる。船がYY年MM月、横浜を出港しNSRに入り順次、約130個のセグメントを航行する。セグメントを通過する時間を計算し、各セグメントで発生するコストを求める計算を繰り返すことになる。計算のロジックは簡単であるが、膨大なデータを取扱うことから本シミュレーションでは一連の計算プログラムを作成した。航行モードとして、砕氷船のエスコートの有無により次の3モードとした。

航行モードと砕氷船のエスコート判断

Ice Indexが十分大きな場合は氷況も穏やかで、氷が存在しても独力で航海することができる。このモードをインディペンデントモード(Independent mode)と呼ぶ。氷況が厳しくなるとIce Indexは小さくなり、砕氷船が啓開した航路を耐水貨物船は進むことになり、この状態をエスコートモード(Escort Mode)と呼ぶ。砕氷船の支援が必要となるIce IndexをINcとし、平均船速とIce Indexの関係からINcを求めた。平均船速が3ノットになると砕氷船の支援が必要であると判断しINcを設定すると、INcは、25BC、40BCで-4、50BCで-1となる。砕氷船がエスコートの必要な海域まで廻航する時間が必要であるが、ここでは衛星情報よりエスコートが必要な海域が将来的には予見できるようになるとして、廻航に必要な時間は無視できると仮定した。また、砕氷船のエスコートは一日単位で行い、その平均船速は約10ノットであると仮定した。従って、エスコートが始まるとエスコートが始まったセグメントを含む次の240海里、12セグメントの氷況を判断し、Ice IndexがINc以下になっているセグメントが一つでもあれば引き続きエスコートを継続することにした。このようにIce IndexがINc以上であっても引き続きエスコートを受ける状況をウッチモード(Watch Mode)と定義した。そうでなければ砕氷船はエスコートを止め離脱できることとした。砕氷船がエスコートする時の船速は、前述したように砕氷船のIce Indexと船速の関係から求めたが、その時のエスコートされる25BC、40BC、50BCの馬力は、開水中と比べると10%増しになると仮定し、所要燃費を計算した。

 

 

 

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