NSRの科料(通行料):
NSRを通行するためには通行税を支払う。これには砕氷船のエスコート費用を含んでおり、砕氷船のエスコート時間の長短に関係なく定額である。全く氷がなく、砕氷船の支援を受けることがなくても支払わなければならない料金である。ここでは北極海航路局が提示している最新の値を使った(表4.4-6、WP-128)。通行料は、砕氷能力、季節、NSRの地域により異なりGT当たりの料金として20,000GTまで設定されている。GTが増える程、GT当たりの料金は減じてある。砕氷船の支援頻度が高い冬が夏より安いのも合理性を欠いているように見える。最終的な通行料は、砕氷船を運航しているムルマンスク海運会社との交渉により決定するとの注記があり、この料金表は暫定的なものと考えるべきである。ULAクラスと見做し、外挿しGT当たりの通行料を設定したのが表4.4-5の値である。50BCは砕氷能力が劣るので外挿値の10%増とした。