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船首A、B、Cと船尾a、bの組み合わせから成る船型についての試験から得られた結果は以下のようにまとめることができる。

●氷中抵抗性能の観点からは船首Bが最も優れている。

●いずれの船型も氷中旋回性能が悪い。特に、船首Bの旋回性能が劣る。

●船尾bは排氷性能の観点からは良いものの、推進性能の観点からは船尾aが好ましい。

●平水中推進性能の観点からは船首形状の違いによる性能差は顕著ではないが、船首Aが最も優れ、B、Cの順となる。

●波浪中のスラスト増加の観点からは、船首Cがスラスト増加量が最も小さく、次いでA、Bの順となる。

 

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図4.1-18 各種船型の平坦氷中での抵抗

 

このような点を考慮し、総合的に優秀な船型を設計することを試みた(図4.1-19)。

 

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図4.1-19 新船型(船首D及び船尾d)

 

新船首は氷中抵抗性能の優れた船首Bと開水中性能の優れた船首Aの特徴を採り入れた船首である。この船首は、船首角は25度(船首Aと同一角度)とし、船首端付近での砕氷性能を確保するために船首Aに比べて水線の傾斜角度を大きく取った。また、氷中旋回性能の向上を図るために船首肩部でのスプレッド角を小さくし、舷側部にナックルを設けるとともに、ナックルラインに沿ってリーマーを設けた。リーマー幅は、船の半幅の5%である。なお、リーマーの有無の影響を見るために、模型ではリーマーは着脱可能とし、リーマーのある船首を船首Drリーマーを外したものを船首Dと呼ぶ。一方、新船尾は、旋回性能の向上を図るために、S.S.1/2〜S.S.3までの喫水線近傍の肋骨線傾斜を寝かせ、並行部を短くした。

 

 

 

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