<気づいたこと>
・「患者・家族を主体」とした関わり方が訪問看護において基本であること
・「これまでの夫婦・家族関係」をありのままに受け入れて関わることが大切である
・「在宅から入院になる時期」の判断の重要性
・「他職種とのチームアプローチ」の重要性
・「がんの進行に伴って発生する症状」について学びなおす必要性
・「入院死を望んでいても在宅死」に至ることができること
・「在宅死で看取った家族の満足感・役割達成感」を知ることができた
・「患者と家族の気持ちのずれ」をつなぎ、よりよいコミュニケーションを育てられる
・「初回訪問でも緊急に対処する問題に気づく」必要性があること
・「訪問時に在宅していない家族のKey personとも話し合う」機会をもつ重要性
・「医師や看護婦が進める医療・ケアを拒否し続ける患者の気持ちを理解しながら問題に対処しなければならない」訪問看護婦の役割の取り方の困難性
これらの項目は「在宅ホスピスケア」の基本であるが、今回の研究における訪問看護の実践により、再認識されたことである。あらためて「気づく機会になった」ということは、これらの項目について、在宅ホスピスケアを行う看護婦が繰り返し学習を重ねる必要がある内容であると考える。在宅ホスピスケアに従事する訪問看護婦の研修内容に、これらの項目を加えた教育カリキュラムを作成することが望まれる。
<考察>
本研究スタッフが実施した在宅ホスピスケア・訪問看護の実践状況の報告、および実践を通して認識したことについて述べた。訪問看護実践を通して確認したかったことは、「どのような問題をもっている場合に在宅ホスピスケアの対象者になるか」および「訪問看護婦はどのような問題に対応するのか、また問題対処のためにどのような能カが求められるのか」ということであった。