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11] 家族介護への助言・サポート

がん患者の多くは、かなり死が近づいても歩行・食事・意識(会話)等が行えるのでいわゆる介護負担は軽い。したがって家族の不安を支えることによって、引き続き家族が介護し続ける気持ちをもてる。

12] 生活のアセスメント

Bさんの場合は、介護を行っている家族が高齢で適切に役割を果たせないのに、同居している若い家族は全く介護に関わらない。しかし別世帯の姪の家族が実際的な介護を行っているという複雑な生活形態をとっている。Dさんの場合は、娘の知能が低いこと、居候している甥の不可解な行動で生活がかき乱されていること、経済的困窮が治療に制約を加える状態にあることなど、複雑な家族関係の影響を訪問看護の関わりの中で把握することができた。このような「生活のアセスメント」によって、訪問看護対象者それぞれの問題への対処の仕方を理解し、訪問看護婦の立場でサポートすることができる。

13] 医療チームメンバーとの連携・ チームアプローチ

すべて緩和ケア病棟とつながりのある対象者ばかりだったので、症状コントロールや再入院の相談などは、緩和ケア病棟主治医と婦長と連携して行った。また同時に地域の往診医との関係を保持するようにつとめ、情報を共有しながら往診を依頼したりした。また緩和ケア病棟主治医と往診医と連絡しあう機会をつくるようにした。

 

(3) 訪問看護実践を通して気づいたこと、学んだこと

 

訪問看護は、緩和ケア病棟勤務経験者、がんセンター勤務経験者、訪問看護(含:がん終末期患者)経験者の背景をもつ看護婦が行った。それぞれのがん終末期状態に対する知識や経験、また訪問看護経験に相違があったため、本研究のための訪問看護実施前に研修を行った。また実施中にもたびたび集まり、それぞれの事例について検討を重ねながら訪問看護の実践を進めた。現在も訪問看護を継続中の患者がいるが、報告書をまとめる段階で、訪問看護実践を通して「気づいたこと」 「学んだこと」について以下のようなことがあげられた。

 

 

 

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