例えば、区役所は、福祉事務所、保険年金、戸籍、災害対策などです。それから警察は、防犯、交通安全などで関係があります。防犯は、救急とか火災の関係です。保健所は健康を扱っております。そして、委員長会の結果は、各小学校区へ持ち帰るわけです。
小学校区の中では、各自治会長さん全員と、例えばPTA、保健委員会、消防団、老人クラブ、子供会、それから体育委員会とか交通安全審議会、そういった各団体の長が一堂に会します。そこで、区から与えられたテーマについて協議しております。こういうことを必ず月に1回やっております。
私どもは、そういった場を利用して、行政相談のチラシを配り、行政相談週間の行事等をPRしているわけです。それから、最近一番多い相談は何かといいますと、いわゆる環境問題です。名古屋市の場合、藤前干潟の埋め立ての問題がございまして、ゴミ問題が一番大きな問題になっております。もう一つは、今の少子高齢化の中で介護保険制度の問題です。この2点がここ1、2年の間の相談件数の一番多いものでございます。
オースティン氏:これまでのお話をうかがって関心を持ちました点は、行政相談委員の方と行政監察局との関係ということです。行政相談委員の方たちは非常に活発に地域の数々の問題について、日々、解決に向けて活動しておられまして、区役所なり、その地域の役所との関係を保ちながら仕事をしておられると思います。そして、行政監察局の場合は、その地方のお役所では十分に対応できないようなことについて関わっているように思います。
行政相談委員の皆様は、その地域の役所と協力しながら、その地域の問題に対処しておられると思いますが、自治体のオンブズマンとの間にギャップがあるのではないでしょうか。これは、ご質問ではなく、これまでのお話を伺って、そういう感想を持ちましたということです。
安井委員:話がちょっと別になりますけれども、私は、中学校の「心の教室相談員」もお引き受けしております。それで、登校拒否とか学級崩壊とかいろいろな問題が今さかんに言われておるわけでございますけれども、オランダの方では、どのようになっているのでしょうか。国の状況によって違うかも分かりませんけれども、その辺の状況を一つ聞かさせていただきたいと思います。
オースティン氏:今のご質問につきましては、残念ながら、私はナショナル・オンブズマンとしてそういった学校関連の苦情といいますか、そういうものを直接扱っておりませんので、あまりお答えするようなお話はございません。
ただ、ここ10年から20年の間に、オランダで非常に顕著になってきた問題としましては、移民の増加ということがあります。ご存じのように、いろいろな地域から難民として入ってくる方たちが多くなっておりまして、特に、アムステルダムのような大都市においては、移民の方たちと、昔から住んでいる住民たちがなじまないという問題が起こっております。