私どもの国においては、先程お話をしたとおり、皆様の制度とは違っております。ただ、比較をしてどちらがいいとか、よくないとかということではなく、やはり、その地域、その国の実情であるとか状況に合ったやり方をするというのが一番いいのではないかと思います。そういう意味では、今回、皆様のお話をうかがうことができ、そして、私どもの制度と比較をするということができましたので、私も大変興味深くお話を聞くことができました。
平山局長:それでは、時間もあと残り半分くらいになってきましたが、オランダのナショナル・オンブズマン、あるいは市民のためのアドバイス・ビューローの状況についてもかなり分かってきたと思います。
それで、水野委員、何かご質問があればどうぞ。例えば、昨日のオースティンさんの講演でも、どんなにいい制度でも、それが国民によく周知されて利用されなければ何もならないというようなご指摘もありました。全くそのとおりだと思いますし、そこで、いろいろ委員の方々なりに工夫し努力して、広報活動なんかもやっていただいていると思いますが、そういう具体的に、実際やっておられることとか、あるいは悩んでおられることとか、あるいはそれ以外でも何かぜひお聞きしたいということがあれば。どうでしょうか。
水野委員:水野でございます。
昨日は講演、どうもありがとうございました。
私は、行政相談委員として、行政と住民とのつなぎ役ということで、身近な問題について、皆さんの役に立っているのではないかと思っております。
昨日のパネルディスカッションにおいて、行政相談委員のことを知らないとおっしゃる方が結構いらっしゃるということで、PRのお話が出ておりましたが、私も春と秋の行政相談週間の折には、チラシを配ったり、ポスターを貼ったりしてPRに努めております。また、今年は、北区の区民祭り(5万人ほどの人出があります。)の折に一日合同行政相談のチラシをお配りして、PRに努めさせていただきました。
オースティン氏:私も、行政相談制度、あるいはオンブズマン制度の存在を皆様にもっと知ってもらうということは、非常に重要なことだと思っております。
オランダのナショナル・オンブズマン事務所には、いわゆる広報部といいますか、PR部門というのがあります。
PR活動をするには、非常に専門性が必要になってきています。特に、現代社会においては、プロとしてそういった活動を行うことが必要になってきているわけです。一般の方たちに、公表という形で知ってもらうというだけではなく、いわゆるマスコミをうまく利用して、常に、より多くの方たちに知っていただくような努力をしていかなければいけないと思います。ナショナル・オンブズマン事務所にも、そういうことをしている部門、部署があるということをご紹介させていただきました。
それから、「良いニュースは面白くない。」という言葉がありますが、マスコミは、良いニュースを、あまり一面で取り上げたりしないで、スキャンダルとか、何か悪いニュースは、やはり一般の方たちも喜んで見るということで、大きく取り上げるという傾向があります。