(司会)
どうもありがとうございました。制限された時間の中で非常に的確に答えていただいたと思います。
それでは残りの時間、予定の5時までにはあと10分ですが、5時15分くらいまでは延長してもいいのではないか、ということで事務局の方から時間をいただきました。皆さんにもご迷惑をかけますが、折角の機会ですから多少延長させていただきたいと思います。
第2ラウンドですけれど、今度は前半とは逆に、田村さんから順番にお願いします。主に前半でかなり議論されました到達点と同時にいろいろな問題点、改善点もある、それについて今後どうしていくのかというような提言的な中身を中心に、2回目のご意見をうかがっていきたいと思います。その際、ご質問が出ておりますものについて併せて触れていただくという形でお願いします。そうはいいましても、お一人3,4分しかないという限られた時間になりますけれども、一通り発言をいただきたいと思っています。
まず、田村さんからですが、質問が出ておりまして、「ジャーナリストとしての立場から、『新聞記事にしたい』と思われる相談事案の内容、『記者をひきつける』相談事案の公表のテクニックについてのポイントを聞かせていただきたい」ということです。この質問も念頭に入れて発言をお願い致します。
(田村氏)
記者をひきつけるということは本当に難しいことです。
新聞記者はいつも手柄をたてたいと思っています。これは私の手柄になる、うまくいったら局長賞くらいもらえるか、というようなものをそっとリークするというのが最高にいいのです。
けれども、行政相談は地味な話が多くて、華やかなことはありませんのでこのようなことをやるのは、難しいと思います。けれども、地味な問題のなかに、時に「NTTの電話帳の問題」のように、壮大なる無駄というようなのがあれば、これなどはトップ記事になります。こういうものが埋もれています。白山のブナの話もそうですが、ブナの話は私が飛びついたのです。新聞記者に、「あそこへ行くと時々掘り出し物がある。」、「あそこの行政監察局の相談課へ行って、いろいろだべっていると面日い話がある、行ってみようかな」と、いう気持ちを起こさせる、行政監察局の工夫も必要だと思います。
私は、石川行政監察局の場合、昭和30年代という非常に草分けの時代ですから、行政監察局の職員の方自体が多彩で経歴も多彩で、お役人臭さがありませんでした。だから、そのようなところへ行ってそういう話をしていると「その話は面白いね」ということが出てきます。もう一つは、名古屋(中部管区局)の行政苦情処理委員会に出席すると、行政監察局の職員の方の非常に綿密な調査(いろいろな対象の役所の話を聞いたり、資料を収集したり)の結果をまとめられた膨大な資料を出されますが、その労力は大変なものです。