(司会)
それでは、続きまして地方自治体の中で制度化された、いわゆる公的オンブズマンという役割を担っておられる、西尾市の行政評価委員会の代表行政評価委員をされております藤井さんからお話を伺います。
西尾市行政評価委員会の現状と課題
藤井 明(西尾市行政評価委員会代表行政評価委員)

只今ご紹介をいただきました西尾市の藤井でございます。
西尾市というのはどこだろうか、と思われる方も多いのではないかと思いますが、愛知県の南部三河湾に面した、人口10万2千人ほどの市(6万石の松平の城下町)でございます。それでもまだお分かりにならないかと思いますが、最近、NHKで放送している元禄繚乱の敵役となっております、吉良公の所領地が西尾に隣接する吉良町でございます。ああ、あの辺かなと思い出していただければ有り難いと思います。
私が申し上げることは、皆さん方の行政相談とは質が若干違うと思いますので、まず、その成り立ちをお話してみたいと思います。西尾市は、昭和60年に行政改革をしようという動きがございまして、「行政改革大綱」を策定致しました。皆様方の資料の43ページ(103)をご覧いただきたいと思います。ところが行政改革は、総論賛成各論何とかでなかなか実行されにくい状態でございました。
そこで、平成6年6月、改めて西尾市の行政改革を進めたいということで、「行政改革懇談会」を設置されました。座長は名古屋大学の市橋先生で、10名の民間人で構成されておりました。この懇談会では、昭和60年に策定した「行政改革大綱」が、実行されなかった原因がオンブズマン的なチェック機関を持たなかったことにあるのではないか、ということで、資料の43ページ(103)にありますとおり、平成6年11月、市長に提出した報告書(内容は9項目)の2項目に、「行政改革推進のプロセスへの住民参加や進行管理における監視機能」の設置の必要性を指摘しております。
それを受けて、西尾市は、平成7年3月に「行政改革大綱」を策定致しました。その行政改革大綱の重点事項は11項目ありました。その内容は、お手元の資料の46ぺージ(106)をご覧いただきたいと思いますが、そのトップに、「行政改革等の推進に関する監視機能の強化」ということが挙げられております。この行政改革大綱に基づき、平成7年4月、「西尾市行政評価委員会要綱」が作成され、委員会が発足を致しました。
行政評価委員会の目的は、資料の43ページ(103)以下にありますとおり、「市政の公正性及び信頼性を高める」ということが、主たる目的とされているわけでございます。