(司会)
本日配布された資料の26ページ(93)に、この行政相談の受付・処理の実績というのがありますけれども、これを見ますと、4分の3が行政相談委員による受付・処理、残り4分の1強が総務庁関係の窓口における受付・処理ということで、やはり行政相談委員の存在というものが非常に大きいわけであります。
そこで、次に、実際に行政相談委員として活動されております、中部行政相談委員連合協議会の会長でもあります、谷さんの方から御報告をいただきたいと思います。
行政相談委員制度の役割と課題
谷 昇(中部行政相談委員連合協議会会長)

行政相談委員を仰せ付かっております、谷でございます。
行政相談委員がどういう役割で日々活動をしているかということを、事例を交えながら若干御紹介させていただきたいと思います。
まず、行政に対しての国民の苦情や要望などを解決する行政相談業務は、昭和30年より実施されてきましたが、一般国民にもっと気安く、親しみやすい形でかなえられるようにという趣旨から、昭和36年に行政相談委員制度が設けられました。そして、現在全国で約5千人の民間の有識者が総務庁長官から委嘱を受け、それぞれボランティアとして活動を繰り広げて来ています。
また、私たち行政相談委員は、日常の行政相談業務を通じて得られた「行政運営の改善に関する意見」を、総務庁長官に述べる機会が与えられていますが、そのためにも日常活動の相談窓口で、地域住民の「身近な問題」から広く国内外にまたがる「大きな問題」まで、すべての期待に熱意を持って応えて行く必要があると考えております。
こういった趣旨で、身近な問題を熱意を持って解決し、多くの地域住民に喜ばれた事例を一つご紹介させていただきたいと思います。
ある小学校の門の前に住む住人から、「学校でPTAの会合のある時や、雨の日などに、児童の迎えのための自動車が、狭い道に多数駐車して付近の通行を妨害し、またクラクションを鳴らされてうるさく、困っている。この状態を改善してほしいが、直接学校に申し入れにくいのでお願いしたい。」という、相談がありました。そこで、行政相談委員として、当該小学校の校長先生や教育委員会の方に改善するよう申し入れましたところ、学校では、早速PTAの会合で、自家用車の自粛や校門付近に駐車禁止を掲示する措置がとられて解決を致しました。