最後に、平山局長から発言を求められて全相協の鎌田会長が発言されました。その要旨は次のとおりです。
風土も違う、統治構造も違う、そして歴史も違う中で育ってきた私ども日本の行政相談委員制度について、オースティン氏が深い理解を示していただけたことに、大変感謝いたしております。
名古屋の先生方とこうしてお目に掛かる機会は滅多にございませんが、今日は、行政相談制度や行政相談委員制度のPRの問題や、事案処理のことでご苦労していらっしゃることもお聞きすることができ、大変参考になりました。有り難うございました。
行政というものは、どうしても法律と前例に縛られるものです。行政が、法律を乗り越えて動いたら、やはり目茶苦茶になってしまうからです。そういう意味で、行政相談委員の社会人としての長い経験と、ボランティア精神によらなければ解決できない問題もあるということです。そのような問題を解決できたというときに、大変な喜びを感じます。これは、ボランティアの喜びの最大のものであると考えます。
今から約400年昔、オランダのグロティウス(Hugo Grotius(1583-1645))という学者が、「民族や、宗教や、国家の違いを越えた、人類に普遍的な法 (自然法)があるはずだ。我々は、それを求めていかなかったら、世界の平和は実現できないんだ。」ということを、説いており、それを江戸時代の日本の学者が翻訳して読み、非常に感激しているという歴史があります。私どもは、いろいろ風土の違いはありますが、お互い、これからは共通性を求めて、また、より発展させていきたいと思います。
最後に、オースティンさんには、お忙しいところ、今回ご来日いただきましたことに対し、心から感謝申し上げます。