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● オースティン氏:私からも、今のお話についてコメントさせていただきます。

オンブズマン制度についてもそうなんですが、その存在を皆さんによく知らせるということは、大切なことだと考えております。

役所に対しては、今お話がありましたように、実際にその役所に出向かれて、きちんとお話になれば、いろいろな協力をしてくださると思います。また、マスコミにできるだけ目を向けてもらって、行政相談制度というものが機能しているということをアピールするということも大切だと思います。

○ 林委員:昨日のご講演をお聞きして、行政相談委員について評価をしていただいていることを知り、喜んでいると同時に、もう一層努力しなければならないと思っているところです。また、ただいまは、アドバイス・ビューローのスタッフの資格について、知識を多く持って、いわゆる専門的分野に精通するとともに、プロ意識を持てというお話を伺いまして、これはもっと努力しなければならないということを考えております。

制度のPRについては、私どもは、各自治会の会長、PTA、保健委員会、消防団、老人クラブ、子供会、それから体育委員会とか交通安全審議会、そういった各団体の長が一堂にお集まりになるような場を利用して、行政相談のチラシを配り、行政相談週間の行事等をPRしております。

それから、最近一番多い相談は何かといいますと、いわゆる環境問題です。ゴミ問題が一番大きな問題になっております。もう一つは、今の少子高齢化の中で介護保険制度の問題です。この2点が、ここ1、2年の間で相談件数が多くなっております。

● オースティン氏:これまでのお話をうかがって関心を持ちました点は、行政相談委員の方たちが、非常に活発に地域の数々の問題について日々、区役所なり、その地域の役所との関係を保ちながら解決に向けて活動しておられるということです。

○ 安井委員:私は、地元中学校の「心の教室相談員」もお引き受けしておりまして、登校拒否とか、学級崩壊とかいう問題をよく聞きますが、オランダはどうですか。国の状況によって違うかも分かりませんが、その辺の状況を一つ聞かさせていただきたいと思います。

● オースティン氏:今のご質問につきましては、残念ながら、私はナショナル・オンブズマンとしてそういった学校関連の苦情といいますか、そういうものを直接扱っておりませんので、お答えするようなお話はございません。

ただ、ここ10年から20年の間に、オランダで非常に顕著になってきた問題としましては、移民の増加ということがあります。移民の増大が、その地域に従来から住んでいる方たちとの軋櫟といいますか、そういうものを生んでしまったり、共存できないというようなことがございます。それが小・中学校などの問題にも関連があるのではないかと思いますが、安井さんが先程お話になりましたような、新しい状況につきましては、私の方では内容について詳しくはありませんので、これ以上のことはちょっとお答えできません。

 

 

 

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