藤井氏
(質問要旨)
一つの問題について、行政機関の縦割行政の中で、どの分野に属するのかという判断に困ることがあります。そいう問題について、西尾市ではどのように対処されているのですか。
(答弁要旨)
今、後藤先生がおっしゃったことに全く同感です。
私ども西尾市という小さな行政単位の中における苦情というのは、行政側に非があるとか、対処の仕方が不的確であるとか、というような厳しい指摘ではなく、むしろ役所側の対応が不親切であるとか、説明不足であるとかいうことが積もり積もって苦情になってくる、行き場がないからあなたのところに来た、というような相談が多いわけです。
地方行政に携わる市の職員などは「出来ないことは出来ない。」といえます。しかし、その断り方は、親切に、納得出来るように説明をする。担当が違うときは、「私のところでは扱っていませんが、隣の誰さんのところへ行くと相談に乗ってくれると思います。」というような対応をするとか、やさしさと、ノーといえる厳しさ、そういうものを市の職員がもってくれるような意識改革をすることが、ソフト面での苦情処理対策になる、ということを私たちはその都度、その担当者、或いは市長に申し上げており、そのことが、次第にいきわたってきたという実感をもっております。
石田氏
(質問要旨)
先程、民間の力で殆どのことがやれるのではないか、という意見の紹介がありましたが、老人介護も含め、自立できない弱者、社会的弱者に民間だけで対応することが出来るのでしょうか。
(答弁要旨)
行政の一番大事なことは、人権を守ることなのです。平等な人権を守っていくこと、それは弱者に対する権利を絶対に保障するということ、この一点は譲っていけないことだと私は思います。それが行政の役割です。
もう一つ、行政は絶対といっていいほど構造的にぬるま湯なのです。危機感がないのです。人為的に行政と切磋琢磨する競争の構造を作らないといけないのです。競争してはいけないところを残しつつ、競争する刺激を作っていかないといけない。私は、人間の能力というのはぬるま湯が一番恐いと思います。そんなことを常に市長として考えています。