新聞とかテレビとか、マスメディアに対する広報といいますか、相談の処理結果の発表の仕方を、もう少し工夫したらどうでしょうか。
─休憩─
田村氏の発言が終わったところで休憩に入り、10分後再開された後半は、まず、司会者から「質問が非常にたくさん寄せられておりますが、時間の制約がありまして、全部について逐一お答えをするという時間はありませんので、各パネリストには、このうち幾つかについて、これからの発言の中で、それぞれの質問を意識しながら答えて頂く、というよな形で進めさせていただきたい。」旨の発言があり、司会者が質問要旨を読み上げ、指名されたパネリストがそれに答えるという形式で進められました。
まず、最初に、基調講演をされたオースティン氏への質問に対する答弁がありました。その要旨は、次のとおりです。
オースティン氏
(質問要旨)
1] オランダでは、一部の都市(自治体)でオンブズマンが設置されていますが、ナショナル・オンブズマンと自治体オンブズマンとの関係は、どうなっているのですか。
2] オランダのナショナル・オンブズマンには、個別の苦情処理にとどまらず、それを端緒に、行政の制度や運営の基本について改善を図る機能があるというお話でしたが、その具体的事例について、印象に残っているものをご紹介頂けないでしょうか。
(答弁要旨)
ご質問有り難うございました。
まず、一つ目のご質問に対してですが、地方レベルのオンブズマンも色々な形になっております。特に、大都市では、当該市限りの活動に関する苦情などに対処する、ローカル・オンブズマンを市議会に置いております。しかし、大部分のその他の都市においては、ナショナル・オンブズマンの活動に従っております。
二つ目は、オンブズマンの活動についてのご質問だったと思いますが、これはコインの裏表のような関係にあるかと思います。例えば、表の面といいますか、一つ目の機能としては、オンブズマンが個人、一人一人の国民の保護をする、という役割を果たしております。そして、コインの裏側に当たるもう一方の面としては、政府の質の向上を図るという役割があります。つまり、具体的な苦情が出ないようにするために、政府はどのような対策を講じたらよいのか、ということをオンブズマンが政府に対し示唆する、といった役割であります。