補助金の見直しについては、スクラップ・アンド・ビルド方式とか、サンセット方式といわれるような新しい方式を導入して、時代の変容に即した見直しをすることが必要である、ということを答申しております。なお、行革も4年が過ぎましたので、改めて見直しが必要であるということも提言致しました。これについては、平成11年6月に、西尾市の「行政改革推進計画」が作成され、第2次の改革に移っているところであります。
(2) 苦情申し立ての処理
苦情申し立てについては、平成7年度から10年度の4年間で58件を処理しております。その内容を、分野別に主なものについて見ますと、建設関係のものが18件、続いて経済環境的なもの、都市開発的なものがそれぞれ8件となっております。
苦情の処理については、行政は一生懸命やっているけれども、それぞれの部局がお互いに責任範囲ではないという対応をしたために、苦情になっているものがかなり多く見られました。そういうことを考えますと、市民の苦情の原因が、市行政側の適正・不適正というようなことよりも、むしろ対応の仕方、あるいは「たらい回し」というようなことにあるものが多かったような気がします。
今後の課題としては、指導者、職員が行政サービスの向上のために強い意識改革をすること、さらに、制度のPRを徹底的に行って、市民が行政相談を気軽に持ちかけることができるようにしていくことが必要であると考えております。
後藤 澄江氏
行政監察や行政相談という言葉は存じ上げておりましたが、その中身については詳しく理解していませんでした。今回パネリストを引き受けることになって改めて調べてみますと、私が関係している社会福祉の分野でも、行政監察や行政相談がかかわっていることが分かりました。例えば、ホームヘルパーの方々の業務を拡大する必要があるとか、高齢者の施設をもう少し柔軟性のあるものにすべきである、というようなことが発表されたのですが、そのプロセスに、行政監察や行政相談がかかわっていた、ということを初めて知りました。
そこで、行政監察や行政相談という制度が、いろんな役割を担っているのに、何故私ども一般人に、そういう認識が不足しているのか、ということを私なりに考えてみました。それは、日本のやり方というか、日本における行政苦情の処理システムというものが、対立型ではなく調和型であるために、お仕事をなさった結果をあまりピーアールしない、敢えてプロセスを明かさない、というようなことが、逆に言えば私達市民にとって認知が薄いという結果になっているのではないのかな、と思いました。
先程、行政相談委員の方のお話の中で大変興味深かったのは、住民の方々と接する日常の業務の積み重ねの中から、その声を汲み上げているのだということであります。もし本当にこのことが機能しているのならば素晴らしいことだと思いました。そのような国民の声を、行政相談委員の方が、総務庁長官に直接述べることが出来るというような点は、大変貴重であり、そのような機能を活用していただきたいと思いました。