[パネルディスカッション]
テーマ:「市民にとって望ましい行政苦情救済制度を考える」
(出席者)
司会者
後 房雄氏(名古屋大学法学部教授)
パネリスト
塚本 壽雄氏(総務庁長官官房審議官)
谷 昇氏(中部行政相談委員連合協議会会長)
石田 芳弘氏(犬山市長)
藤井 明氏(西尾市行政評価委員会代表行政評価委員)
後藤 澄江氏(日本福祉大学社会福祉学部教授)
田村 新次氏(中日新聞社論説顧問)
はじめに
今回のパネルディスカッションは、途中休憩を挟んで前半と後半とに分けて進行されました。前半では各パネリストから一通り意見の発表があり、後半は場内からの質問を踏まえ、あるいは前半の補足という形で議論が展開されました。
各パネリストの発言に先立って、司会の後房雄氏から、「日本でも行政苦情救済という面で長い経験が積み重ねられてきており、中でも、総務庁の行政監察局が所管されている行政相談制度、行政相談委員制度については、オンブズマンとしての実質を備えているという評価が、国際オンブズマン協会から下されている。そういう定評のある到達点を既に持っている─ そういう経験について、これから具体的に当事者の方々からお話を伺いながら、市民にとって望ましい行政苦情救済制度の今後のあるべき姿を考えて行きたい。」旨のご挨拶がありました。
次いで、司会者の指名により各パネリストから順次発言がありました。その要旨は、次のとおりです。
塚本 壽雄氏
最初に、総務庁のシステムの特色を申し上げたいと思います。次の3点を挙げることができます。
一つは、総務庁という、各省庁からは独立した省に相当する組織があって、これが行っている仕事であるということです。
二つ目は、行政相談委員という仕組みがあり、この行政相談委員の活動によって、システムが更に力ある働きをしているということです。
三つ目に、行政苦情救済推進会議という仕組みがあるということです。この行政苦情救済推進会議は、苦情等のうち制度改正等を必要とするもの等について、高い識見を有する公平な第三者から意見を聴取し、的確・効果的な処理を推進するため、設置・運営しているものです。