開会式に続いて、オランダから招聘したオンブズマンの講演が行われました。
その概要は、次のとおりです。
[海外オンブズマンの講演]
〇 基調講演
マーティン・オースティン氏 前オランダ オンブズマン
前国際オンブズマン協会会長
演題
「オンブズマン:その役割と発展の国際比較」
(オースティン氏のプロフイル)
オースティン氏は、オランダのグローニンゲン大学法学部教授を経て、1987年10月、議会第二院 (下院)から任命されてオランダのナショナル・オンブズマン(任期6年)に就任、その後1993年10月に再度任命され、1999年9月任期満了により辞任されるまで延べ12年間オンブズマンを務められております。併せて、1994年から1998年まで国際オンブズマン協会 (オンブズマンの世界組織)の会長を務められており、オンブズマン制度に関し、高い識見と豊富な経験を有しておられます。
─講演要旨─
オンブズマン制度の発展
オースティン氏は、基調講演において、まず、世界におけるオンブズマン制度の発展状況について、「日本で行政相談制度が創設された1955年、つまりほぼ45年前に、1809年のスエーデン、1919年のフィンランドに続き、オンブズマン制度を整備した世界3番目の国になったデンマークが先駆けとなり、この制度が世界中に普及し、現在では、80か国以上が国あるいは自治体レベルで、オンブズマンを設置し、わずか数十年の間に、その呼称は必ずしもオンブズマンではない場合もあるものの、とにかく世界中にオンブズマン制度が整備されてきた…」ことを明らかにされました。
オンブズマン制度の主要な特徴
また、同氏は、オンブズマン制度の一般的特徴として、「オンブズマンは、国民のために設立される制度であり、…あくまでも一番重要な任務は、「国民の擁護者」たることである。…オンブズマンが適切に役割を果たそうとするならば、…自らが監視する政府機関から「独立」し…他者から指示を与えられてはならず、…国民がオンブズマンに「容易にアクセス出来る」…国民にとって有効な存在…」でなければならない、という点を挙げられました。