15. 外国人を対象とした行政相談懇談会を開催して感じたこと
鳥取県鳥取市
行政相談委員 榎 直子
私の住む湖山地区は、鳥取大学やその留学生会館があり、鳥取市の中でも外国人の多く住む地域です。又、そこには、鳥取県の国際交流センターや、市の国際交流プラザなど外国人を支援する施設もあって、それを利用して国際交流関係のボランティア活動も盛んに行われています。その一つの、留学生やその家族に日本語を教えるボランティアグループに私も属しておりますので、外国人と接する機会が多くあります。それで、行政監察事務所の力をお借りして、一度外国人を対象とした行政相談懇談会を開いてみました。その時一番問題になったのは、在留期間更新手続きについてでした。県の西端にある境港に鳥取市から出向くのは、時間的にも負担が大きいし、何よりも経済的にゆとりのない私費留学生にとっては、交通費の負担は厳しいものです。そこで、岡山や松江などのように、鳥取市にも出張所を設けて手続きできるようにして欲しいという要望が多くありました。これについては、行政監察事務所の方にお骨折り戴き、「法令による制限があり、今実現することは不可能だが、全国的問題であると考えられることから上級機関へ連絡したい」という回答をいただきました。この問題は、今までも、国際交流関係のボランティアグループから、いろんな窓口に、再三要望が出されていることでもあり、何とか実現してほしいと思っております。
行政相談懇談会を開催して感じたことは、前出の件を除いては、留学生は、あまり行政相談の必要性を感じていないのではないかということです。というのは、留学生の少なかった昔と違い、現在では鳥取大学だけでも140人余りの留学生が居て、各国別のグループもあり、お互い助けあって、大抵の問題は解決してしまうことに加えて、県や市の手厚い支援体制もあるので、ほとんど困っていないように見えます。ただ、かなり日本語のできる韓国の人達でも、日本に来たばかりの時は、役所の窓口での言葉が聞き取れないということは、良く聞きます。外国人に対しては、ゆっくり話して欲しいということも、行政監察事務所から、関連の全ての窓口に要請していただきました。
私が日頃つき合いのあるのは、留学生かその家族(本国ではエリートに属する人達)に限られる為、残念ながら(もしくは、幸いなことにというべきかも知れませんが)、「ここは行政相談委員の出番!」と感じることはほとんどありませんが、私の友人が、フィリピンからの花嫁の日本語のボランティアをしていた時の話によれば、行政相談委員の出番が沢山あるように感じました。本当に行政相談が必要なのは、相談に来てくれない(又は、その存在すら知らない)人達ではないかという気がします。そのような人は、県や市の支援体制からも漏れているし、ボランティアグループとの関わりもないようなので、そういった人々に行政相談の存在を知ってもらうことが、今後の課題と考えております。