その後、更に日本の進んだ高度医学の深奥を極めるべく、大学院博士課程に進学。博士号を取得しました。
その間の在留資格は、留学生ビザで、在留資格による『在留期間』を毎年更新を続けてきました。大学院では、病院へ勤務することもあり、在留資格を「就労ビザ」に変更申請をしたらよいと思い、入国管理局に問い合わせたところ、大学院の在籍中だから従来通りであってもよろしいし、又、何時でも変更が出来るからということでした。
平成2年の出入国管理法の省令改正で、在留資格があれば「定住資格」への変更は可能となったようですが、R氏が、平成5年に医療ビザに変更し、その後、入国管理局へ資格変更(定住ビザヘ)について、問い合わせたところ、「R氏の場合は無理でしょう」という返事でした。
変更が無理ということになると、医療の仕事をするうえの規制があり、将来困ったことになるのではということでの相談でした。
行政監察事務所の助言指導では、診療所等の開設にあたっては、同法に基づき県知事の許可が必要であるが、特に外国人に対する特段の規定はなく、日本国の医師免許を取得していれば問題がない。また、医療ビザでの医療活動についての規制や定住ビザ、永住ビザに関する資料、照会先等についての詳細な説明を受けました。
また、入国管理局の担当官の対応も、申請者の事情、気持ちを充分把握したうえで、必要な助言をして下さったようで、R氏自身が大変明るい希望を持って進めることができました。
当初、定住ビザを申請しその上で時期をみて永住ビザとする予定でしたが、入国管理局の担当官の適正な助言を得たのか、申請書類も着々整い、日本で身につけた高度な医療を、日本社会で充分な貢献をする決意をして、永住ビザの申請をしました。
申請から認可されるまでは、長い時期を要するものと、覚悟していたようですが、短期間に認可されました。R氏は関係くださった皆様の御援助の賜ものだと感激し、医療業務に尽力する決意を新たにしたようであります。
その後、本国の親からは、留学に出して十数年、本人が最も望んだ日本での医療活動、そして安定した在留資格の取得できたよろこびの言葉にそえて、次の一首が寄せられてきました。
『我国と信じて居りし日政時差別はあれどなお日本好き。』この相談を通じ感じたことの一つは、場合によるが、法令と法令の関係や、条文の表現が大変むつかしい。このことは、この条件を満たせば可能になる、といった、わかり易い、開かれた表現が出来ないものだろうかと思いました。
なお、今回の在留資格変更にあたり、R氏の豊かな人間性、日本社会での医療活動によせる情熱に対し、保証人となりました。