そのため、県や市町村自治体では災害支援協力に関する協定を締結して支援協力体制を確立することとなった。また、被災地に支援に出向いた場合、いままでの条例では支援活動にかかる宿泊費等の経費は、被災地の自治体が負担することになっていたが、被災地の自治体がそんな手続ができる余裕もなく、また被災した団体にさらなる財政負担を課すような条例は改正しなければならなくなった。
そして被災した場合の初動体制は、まず地域内のコミュニティや各団体が助け合うことになる。そこで、参考になるのが新宿区の対応であり、各関連団体とのさまざまな協定を結んでいる。その例として、「区内郵便局との協定」、「建設業関係4団体との災害時協力協定」「新宿土木防災協力会との災害時協力協定」「霊枢自動車輸送に関する協定」「棺等葬祭用品供給に関する協定」などがある。
さらに、災害時の医療体制も今までの救急医療体制では対応できる規模ではなく、さまざまな重傷度の被災者がでてきた場合どのような体制を組むのか、支援に両団体との連携協力はどうするのかなどを検討し、対応できる仕組みを構築しなければならないことが明らかにされた。ここでも、重要なことは生き埋め生存率は1日目から2日目になると、生存率が約半分の3割弱になってしまう。そのためできるだけ早い捜索と救助を行うことが第1で、次に負傷者の症状の程度を判断し、治療、搬送の優先度を決定するトリアージ(triage)の指示が明確であること、外国人などの他言語にも対応できる連携システムが構築されていることなどが重要である。
もう一つ阪神・淡路大震災後の対応で学ぶ(神戸市では防災コミュニティを位置づけている)べき重要な点は、最初の対応はコミュニティでやらなければならないことがわかり、そのためコミュニティの復活に積極的になっていることである。外国人と日本人を分けて防災対策を整備するだけではなく、日本人と同じコミュニティを形成しながら防災対策を充実させていくことの方が、さまざまな効果を生むことにつながるのではないだろうか。さまざまな世代、層の住民にサービスをより効果的に提供していくことが自治体の役割であり、外国人への行政サービスの提供をよくしていくことは、高齢者や子供たちへのサービスをよくしていくことと同じ意味となろう。また、地域における防災体制をつくっていくことは、単に災害への準備に留まらず、さまざまな困難な状況への対応準備をしていくことに他ならないと考えられる。