出所:産経新聞大阪本社編集局・大阪市立大学宮野研究室著、『阪神大震災はや5年まだ5年』学芸出版社(平成12年)164頁から、データをもとに作成。
しかし、実際に助けてくれたのはだれかと問うと、「大学」と答えた人は、わずかに4.2%で、実際の援助は「日本人の知人」「留学生仲間」が7割であった。留学生を受け入れる大学側の対応が十分ではないことが明らかになるとともに、他大学においても留学生施策のあり方を議論すべきと考えられる。
外国人学生たちが実際に助けてもらったと感じているのは「留学生仲間」(37.5%)や「日本人の知人」(35.4%)であった。地域住民に助けられたという人も9.4%いた。いざというときに頼りになったのはやはり人のつながりであり、近隣のコミュニティーが留学生を支えていたことが明らかになった。
震災時に最も必要なのは情報であり、被害状況や交通情報、住居、救援物資、ライフラインに関することなど必要な情報は数多くあったが、ことばのハンディを持つ外国人被災者はどこから情報を得ていたのだろうか。震災当初、行政の外国人に対する情報提供の手薄さを指摘する声が相次いだが、このアンケート調査結果もそれを裏付けている。「必要な情報をどこから入手したか」の問いに対し、「テレビ」が30.3%と圧倒的に多く、次いで「知人」(27.3%)、「ラジオ」(8.1%)。「行政」を情報源にしていた人はわずかに3%にすぎず、「入手できずに困った」と答えた人も8.1%いた。
阪神大震災を教訓に、各行政機関は、外国人に対する情報提供のあり方を見直す作業が進んでいる。しかし、災害時に迅速な対応を行うためには行政と外国人とが、ふだんの生活の中でつながりを持つことが大切であり、留学生を受け入れている大学側と行政とが協力しあって、緊急時の体制づくりを確立していく必要がある。